美術品の鑑定 {美術品・鑑定・専門学校}

美術品には類同品が付き物である。

模写、レプリカ(模造品)、贋作(がんさく)、複製物といったものを真作から区別するためには、専門家の判断が必要となる。それが鑑定という専門的行為である。

原則として一品制作もしくは限定制作である美術品がオリジナルであるかどうかは、価値に関して多大の影響を及ぼす。そこで、大多数の美術品は鑑定されなければならず、現に鑑定されている。

しかし、鑑定が容易でない複雑な作品がまれにあり、また、鑑定者の能力の不足による誤断もときにはあって、混乱が生ずる。さらに、長年の研究成果によって見解が変化する場合もあり、美術品の鑑定には不安定な要素が内在している。

完全で恒久的な鑑定はすべての美術品にはありえないとしても、学問と研究の進歩、そして資料の整備と機器の発達に伴い、以前とは比較にならぬほど、鑑定は確定性を増している。

特定の目利きの経験的判断にゆだねられていた従来の鑑定法に対して、現代では、主として資料と機器を有効に利用することで客観的な妥当性へ至る道が開けてきた。

今日、鑑定は広く専門研究者の具有する能力となり、職業的鑑定家の仕事ではなくなっている。

そして鑑定の結果も、単に文書を発行するとか、箱に書記するとかという、とかく誤解を生じやすい仕方ではなしに、写真や文献をかならず添付する方法に変化している。

第二次世界大戦後までに受けた鑑定は、いま改めて新しい方法による再鑑定が必要である。

鑑定は多く個々の専門家の仕事として行われているが、国・公立の施設でもそれを重視し、最近ではそのための部門を充実させている。

美術鑑定は、真贋の区別とともに、その金銭的評価という部分を含む。

その面をとくに行う専門家を欧米ではアプレイザーappraiserとよんでいる。
update:2009年08月20日